蜂蜜とお酢の薬「オキシメル」とは

この記事では蜂蜜のお酢のドリンク「オキシメル」についてと蜂蜜酒ミードという側面から切り取った「オキシメル」の位置付けについて詳しくご紹介します。

*一部、海外での医学関連記事の翻訳を掲載していますが、日本国内でその有効性を保証するものではありません。あくまでも海外での一例として参考にしていただけると幸いです。

ハチミツとお酢が持つ効果

「オキシメル（Oxymel）」はハチミツとお酢をを混ぜた飲み物で薬として古代から薬として利用されてきました。ラテン語や古代ギリシャ語に語源があり、酸”Oxy”と蜂蜜”Mel”という意味を持つ言葉です。

近年の化学的な研究の結果、細菌感染症などに対する具体的な効能が改めて脚光を浴びるようになってきました。

バイオフィルムで守られている細菌感染症は特に治癒の難しい症状とされています。バイオフィルムとは細菌が傷口の表面などに膜を形成して守られている状態で今日の医療でさえ死滅させるのが難しい場合があります。

過去の研究によりマヌカハニーに抗菌作用や治癒効果があることやお酢に消毒効果があることがわかると、マヌカハニーを抗生物質に耐性を持つ感染症に使用するのに対し、お酢は使用せずにその成分である酢酸（Acetic acid）が利用されるようになりました。またハチミツとお酢を同時に使用することはありませんでした。

単体より混ぜた方が効果が高い！

英ウォーリック大学の調査チームはハチミツとお酢を組み合わせた際にバイオフィルムに対してどのような効果があるかを研究するため「蜂蜜にお酢と酢酸のどちらを混ぜるとより効果的か」「お酢と酢酸はどちらが抗菌性が高いのか」を調査しました。

お酢単体、酢酸単体、お酢と蜂蜜のミックスそれぞれを比べた結果、ミックスしたものが最も効果が高いことがわかりました。「殺菌効果を発揮しない程度の少量の蜂蜜と同じく殺菌効果を発揮しない程度の酢酸を混ぜたところ、高い殺菌効果が見られた」またそれぞれの量は医療現場で患者に処方されている量より少ないものだったのです。

まだまだ研究の余地があるとしながらも、いくつかのお酢は同量の酢酸より殺菌作用が高いことや、特にざくろ酢がハチミツと混ざった際の効果にはさらに調査を進める余地があるとしています。

こうした記事からもわかるようにハチミツとお酢が混ざることで特別な効果を生む例があるようです。

オキシメルが持つ効果

ハチミツとお酢のミックスであるオキシメルには当然それぞれが持つ利点が含まれます。

ハチミツの持つ抗菌作用、抗酸化作用、ビタミン（ビタミンB群やビタミンC）やミネラル（カルシウム、鉄、カリウム、亜鉛など）を豊富に含むほか、プレバイオティクスとして整腸作用も持っています。

お酢には血糖値上昇の抑制、高めの血圧を下げる、体脂肪を減らす、疲れを取るなどの効果が期待できます。

これらを同時に摂取することで前述のようなさらに高い殺菌作用が生まれるというわけです。

オキシメルのレシピ

様々なレシピが紹介されているようですが、ハチミツ３：お酢１くらいでの紹介が多いようです。そこにハーブを漬け込んで数日待つと出来上がり。どうやらお酢を入れすぎると発酵が始まってしまいミードになっちゃうのでハチミツの割合が多いレシピが多いようです。

お酢はリンゴ酢や白ワインビネガーなどハーブの印象を邪魔せずに引き出すようなあっさり系ビネガーを採用していることが多いようです。

ハーブは好みによるところですがエルダーフラワー、ローズヒップ、タイム、ローズマリーなどがチョイスされています。甘さと酸味に加えて華やかさも与えてくれそうですよね。

出来上がったオキシメルの濃さにもよりますが、炭酸で割って飲むのもリフレッシュできて良さそうな印象です。抗菌作用にどう影響するかはわかりませんが。。。

ミード業界にもオキシメルがある！

蜂蜜を発酵させたお酒ミードを扱う業界では、このハチミツの部分を蜂蜜酒「ミード」にしたバージョンがしばしば紹介されています。

発酵が済んでお酒になった状態のミードにお酢を混ぜるというものです。造るというより混ぜるイメージですのでカクテルの要素が強いかもしれません。

ミードでオキシメルを造る場合、ミードにはハーブが使われている「メセグリン」スタイルのミードを選んで、お酢にはお酒との相性が良さそうなワインビネガーを採用するのが良さそうです。

お酢にも穀物酢、米酢、黒酢、リンゴ酢、バルサミコ酢（ワインビネガー）など種類があるので好みのスタイルを自分で探してみるのも面白そうですね。

おわりに

「蜂蜜とお酢の薬オキシメルとは」いかがでしたでしょうか？こんなに夏バテに効きそうなドリンクがあるなんて知らなかったのでとても驚きました。

うちでもミードを取り扱っていて今年から蜂蜜の販売を予定しているので、蜂蜜バージョンとミードバージョンのオキシメルで味わいを検証してみるのも面白いなと思っています。機会があればそんな記事もいずれ書いてみたいと思います。

それではまた。

[参考URL]

• “Ancient remedy oxymel shows potential for modern wound care” - News-Medical 
• “Herbal Oxymel Recipes & Benefits” - Mountain Rose Herbs 

当店オンラインショップで取り扱っているリトアニア産ミードは主にこの３種類。少し割高ですがAmazonでも買えます。（名前で検索してみてください！）

• スタクリシュケス（Stakliskes）Alc.12% - ジャンル：ハーブ＆スパイス系「メセグリン」
• トラカイ（Trakai）Alc.15% - ジャンル：ハーブ＆スパイス系「メセグリン」
• ミルダ（Milda）Alc.10% - ジャンル：フルーツ系「メロメル」

[筆者]

橋本佳樹

リトアニア製品の輸入販売を行うスベンテ合同会社代表。社会人時代に音楽業界、芸能業界でのキャリアを経て海外へ留学。現在の妻と出会いリトアニアを知る。帰国後は異業種の輸入業に挑戦するため輸入商社で修行ののち独立し起業。リトアニアのお酒を中心に輸入業を経営しながらリトアニアの情報発信を行なっています。