エリザベス女王の蜂蜜酒レシピ

2024年 2月 16日

メディスン（薬）の語源になった蜂蜜酒

イギリス女王からも特許を与えられているリトアニアのミードですが、その関連記事としてエリザベス１世が愛した蜂蜜酒のレシピをご紹介します。エリザベスの愛した蜂蜜酒はハーブを用いた「メセグリン」と呼ばれるもので滋養強壮や薬としての役目もありメディスン（Medicine）の語源と言われています。

料理上手だったエリザベス１世

女王即位前のエリザベスは自身の荘園を持ち、キッチンでの腕前はよく知られていました。蜂蜜酒ミードはその時代には貴重なお酒として経済的主柱で、他のヨーロッパ諸国では輸入する以外には入手が困難でした。当時、デザートワインがトレンドでエリザベスはそれらのスイートワインをさらに甘くして飲むことでも知られていました。

ミツバチと女王は相思相愛

女王に仕えていた養蜂家チャールズ・バトラーは、女王お気に入りのミードレシピを残していました。エリザベス女王のミツバチに対する愛情についても「ミツバチの巣の内外での労働と秩序は人間に対する模範でもあり賞賛に値する」と書き記しています。そしてまたミツバチは"常に"女王に敬意を示しているのです。

蜂蜜酒「メセグリン」の材料

最も入手が難しい材料はヨーロッパでは何世紀にも渡って紅茶に用いられているスイート・ブライヤ（バラ科バラ属）かもしれません。健康にも有用でスイートブライヤ・ローズヒップティー１杯で１日のビタミンC摂取量を補うことができ、戦時中には重要な栄養源となりました。

“we are getting by on our hips and hops”（ヒップとホップで切り抜けよう）というキャッチフレーズがあったほどで、ビタミンAとCの源であるローズヒップティーとビールに言及した表現でした。

ヨーロッパ、アジア、アフリカ、アメリカに自生し雑草と判断されることさえあります。お店で見つけられないようなら、馬小屋へ行って馬のカイバをあさって見つけるか自分で育てる必要があります。その他の材料は比較的入手は容易でしょう。

エリザベス女王の蜂蜜酒"メセグリン"のレシピ

＜材料＞

水　1ガロン（約3.8L）
蜂蜜　3.5ポンド（約1.5kg）
アシッド・ブレンド　小さじ1/4
酵母栄養剤（発酵促進）　大さじ1
マデイラ酵母　1包
ローズマリー　0.5オンス（約15g）
タイム　0.5オンス（約15g）
月桂樹の葉　0.5オンス（約15g）
スイート・ブライヤ　0.5オンス（約15g）
キャンプデン・タブレット（発酵抑制）　1つ

＜作り方＞

まず蜂蜜にアシッド・ブレンド、酵母栄養剤、常温の水１ガロンを溶かす。
しっかり混ざったらマデイラ酵母を投入する。
キャンプデン・タブレットを加える。
エアロック*をして発酵が遅くなるまで３〜５週間発酵させる。（*確認時に開けても密閉状態を保つ二重扉）
おりなどの沈殿物を吸い上げ６ヶ月間安置する。
最初に発酵を行った容器に戻す。
ハーブをナイロン製の袋に入れ口を固く縛り容器に入れる。
毎日ミードの味を確認し、好みの味に達したらハーブを取り除く。
２ヶ月おきにラッキング（容器を動かして沈殿を避ける）を行いながらさらに６ヶ月間熟成させる。

*このレシピで作られたミードは甘くなくとても強い味で６ヶ月以上の熟成を要します。

チャールズ・バトラーのオリジナルレシピ

読者リクエストを受け、チャールズ・バトラーによるオリジナルレシピを掲載します。上記レシピ「メセグリン」とは異なるレシピをお楽しみください。

スイート・ブライヤの葉1Bushel（約35リットル）、タイム1Bushel（約35リットル）、ローズマリー0.5Bushel（約17リットル）月桂樹の葉0.25Bushel（約9リットル）を合わせます。
水で洗った後綺麗なお湯で30分間煮出し大型の容器で冷まします。
煮出した液体をろ過して液体6ガロン（約22.7リットル）に対して蜂蜜1ガロン（約3.8リットル）の割合で30分間混ぜます。
その後、1日に2、3回かき混ぜながら2日間置き、再度火にかけ沸騰したら浮き上がった上澄みをすくい取り除きます。
綺麗になったら、また大型の容器に入れ冷まし、ビール発酵用大型タンクに入れ3日間置いたあと樽に移します。
小袋に入った1オンスのクローブとメースを入れ、樽を上下を返して6ヶ月寝かせたら完成です。